頭が痛い、熱が出たなど、体調を崩して病院に行くと、その症状に合わせたいろいろな薬が処方されますね。
これらの薬は、もともと「生薬」という、天然の成分が由来となっているものも少なくないのだそうです。
ちょっと驚く例として「モルヒネ」があります。
モルヒネは鎮痛効果が高い薬として知られていますが、もとはケシの実からできていて、ケシの実を科学的に加工して作られた薬です。
また、こちらも広く知られている「アスピリン」という薬は、柳の樹皮に含まれている成分から作られました。
さらにインフルエンザの特効薬でる「タミフル」は、スパイスのひとつである「八角」から作られているなど、よく効く薬が天然のものから生まれているというケースは意外と多いです。
昔は、いろいろな植物などを採取し、試行錯誤を重ねて薬を作っていましたが、現在は特別な機会を使って成分を見つけ、それらを実に多くの工程を経て薬にしています。
その工程はたくさんの時間と費用をかけていて、ひとつの新薬を販売するまでに15年はかかるといわれるほか、開発費用は100億を越える場合もあるなど、簡単な道のりではありません。
私たちが安全に薬を服用できるよう、製薬会社を始めとする多くの人が関わり、たくさんの苦労を重ねて新薬を開発してくれているのですね。
前述した「八角」に代表するように、生薬は人間の体にさまざまなよい影響を与えてくれます。
そこで思い出すのが「カレー」ではないでしょうか。
本格的なインドカレーは、数10種類ものスパイスを使って作られています。
スパイスは生薬として認められているものが多く、カレーは生薬の詰まったメニューだと考えてよいでしょう。
インドではカレーを毎日の様に食べますが、カレーを食べることで心身の健康を保つことができ、こうした考え方は自然療法のひとつである「アーユルヴェーダ」にも通じるものがあります。
ちなみに、カレーに使われている代表的なスパイスは、ウコンやシナモン、カルダモン、クミン、ナツメグなどです。
日本で作られるカレールーを使ったカレーは別として、インドのカレーに使われているたくさんのスパイスたちは、胃腸の機能を促進しするため、毎日でも食べられるとのこと。
またその日によってスパイスを変えて楽しむので、飽きてしまうこともないのだそうです。
生薬で健康を手に入れたいという人は、ぜひスパイスをふんだんに使った手作りのカレーにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
煮込み料理を作っていると気持ちが和らぎますし、手作りのものは安心して食べられます。
そして健康にもつながるのであれば、一石三鳥ですね。