アメリカでは、火星に滞在する模擬試験として各地で実験を行っています。
とはいえ、各地で火星とまったく同じ環境を作り出すことはできないので、これらの実験では荒れた何もない土地に滞在し、メンタル面や行動への影響はどのようなものがあるか、ということを研究しているそうです。
それと同時に、新しい宇宙服や宇宙で使用する洗濯機などの動作確認も行っているとのこと。
地球で火星に滞在するのと同じ状況を作るために、アメリカではどのような準備をしているのでしょうか。
火星と同じ環境を作ることができない分、実験にはいろいろなルールを設けています。
例えば、宇宙服を着た状態でないと、施設を出るのはNGとしたり、実際の参加者が外部の関係者と通信によるやり取りをする上で20分のタイムラグを設けるなど、かなり本格的です。
アメリカでは各地に火星滞在模擬実験の現場を設置しています。
ひとつはハワイにある施設で、ハワイ島のマウナロア山中にあるこちらの施設では、6人の被験者が定期的に滞在しています。
被験者が生活している様子を外部の研究者たちが見ることができるようになっているので、NASA関連の研究者が見学に訪れることも。
マウナロア山は溶岩原に囲まれたエリアがあり、これによって参加者は火星と似た環境で実験に参加することができています。
フロリダにある実験場は、なんと海底にあるそうです。
長い実験になると、3週間を水の中で過ごすこちらの施設は、水深19mほどとのこと。
多くの宇宙実験で利用されていて、実際に宇宙に飛び立った宇宙飛行士たちも、多くの人がこちらの研究施設で訓練をしました。
そのほか、研究施設はアメリカだけでなく世界各地に設置されています。
そのひとつがイタリアの研究施設で、こちらは暗い宇宙で生活することを考慮した研究や訓練ができるよう、洞窟の中にあるのだそうです。
何も見えない、何もわからない場所に滞在する上で、暗い場所での訓練はとても役立ちそうですね。
ロシアに設置されている研究施設では、火星滞在シミュレーションとしてもっとも長い実験が行われました。
なんとその日数は520日間にも及び、この期間は人間が火星に向かってから生活するまでの準備にかかる時間なのだそうです。
模擬的な火星住居も準備され、より本格的な実験が行われたとのこと。
このほかにも、南極の実験施設では、なんと420日間もの長い期間を、冬の暗闇の中過ごすのだそうです。
これは火星に滞在している間の睡眠や脳の状態をチェックしているとのこと。
世界中で画期的な活動を続けている火星協会の実験によって、私たちが火星で生活できるようになる日も、そう遠くはなさそうですね。